「健康食品」って本当に体に良い?医薬品との違い、医師が解説されました
興味深いニュースがあったので共有いたします。
「体に良い」とのイメージが強調される一方で、科学的根拠が明らかでない物もある「健康食品」の安全性について学ぶ講演会を、京都府保険医協会が同協会(京都市中京区)で開いた。医師で内閣府食品安全委員会委員の脇昌子さん(内分泌・代謝内科)が講演し、注意するポイントを解説した。
「健康食品」ってホントに体に良いの? 医薬品ではないけれど…注意すべきポイントを医師が解説(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース
健康食品とは
医薬品は「疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされるもの」で、医薬部外品も含めて医薬品医療機器等法の規制を受ける。
一方、食品は、法に基づいて栄養成分や機能性を表示できる「特定保健用食品(トクホ)」「機能性表示食品」「栄養機能食品」の他に、機能性を表示できないサプリメントや栄養補助食品、自然食品、ダイエット食品などと称する、いわゆる「健康食品」がある。
単純に「カラダに良い」イメージで安全なものといった印象があるが、科学的データに基づき認められ法律で品質管理が定められている医薬品との違いがあります。
医薬品は国の管理のもと安全性や有効性が確保されているものですが、
あくまでも健康食品の安全は事業者の責任であり、消費者の選択の自由でもあると言えます。
対象は健康な人(病気や症状がない人)
トクホや機能性表示食品も含め、評価のための研究は「健康な成人」が対象であり、「高齢者や子ども、妊婦、病気のある人への安全性は分からない。健康食品を取ることには注意が必要」と指摘されています。
食品による健康被害は原因食材が特定しにくく、「不調があれば(健康食品を)すぐにやめてほしい」とし、
特にダイエット食品について、医薬品成分などを添加した違法な物による重篤な肝障害や死亡事例も報告されており、注意を求められています。
「健康食品」についての19のメッセージ(食品安全委員会)
(1)「食品」でも安全とは限りません。
(2)「食品」だからたくさん摂(と)っても大丈夫と考えてはいけません。
(3)同じ食品や食品成分を長く続けて摂った場合の安全性は正確にはわかっていません。
(4)「健康食品」として販売されているからといって安全ということではありません。
(5)「天然」「自然」「ナチュラル」などのうたい文句は「安全」を連想させますが、科学的には「安全」を意味するものではありません。
(6)「健康食品」として販売されている「無承認無許可医薬品」に注意してください。
(7)通常の食品と異なる形態の「健康食品」に注意してください。
(8)ビタミンやミネラルのサプリメントによる過剰摂取のリスクに注意してください。
(9)「健康食品」は、医薬品並みの品質管理がなされているものではありません。
(10)「健康食品」は、多くの場合が「健康な成人」を対象にしています。高齢者、子ども、妊婦、病気の人が「健康食品」を摂ることには注意が必要です。
(11)病気の人が摂るとかえって病状を悪化させる「健康食品」があります。
(12)治療のため医薬品を服用している場合は「健康食品」を併せて摂ることについて医師・薬剤師のアドバイスを受けてください。
(13)「健康食品」は薬の代わりにはならないので医薬品の服用を止めてはいけません。
(14)ダイエットや筋力増強効果を期待させる食品には、特に注意してください。
(15)「健康寿命の延伸(元気で長生き)」の効果を実証されている食品はありません。
(16)知っていると思っている健康情報は、本当に(科学的に)正しいものですか。情報が確かなものであるかを見極めて、摂るかどうか判断してください。
(17)「健康食品」を摂るかどうかの選択は「わからない中での選択」です。
(18)摂る際には、何を、いつ、どのくらい摂ったかと、効果や体調の変化を記録してください。
(19)「健康食品」を摂っていて体調が悪くなったときには、まずは摂るのを中止し、因果関係を考えてください。
医薬品との違いを理解して健康食品を取り入れましょう
医薬品との明確な違いを知っておくだけでも、
不適切な広告表現を目にしたときに違和感や半信半疑なイメージを持つことができるのではないでしょうか。
広告出稿側の適正広告の徹底はもちろん大切なことですが、
同時に消費者の広告リテラシーを向上させることも被害を受ける方を減らすには必要なことと考えています。