ニキビ表現の範囲とは~化粧品と薬用化粧品の違い~

にきび(ニキビ)の表現、アクネケア等の表現については、化粧品と薬用化粧品(医薬部外品)とで薬機法OKとなる範囲が異なります。

広告や表示する場合には、適切な範囲で表現する必要があります。

そこで今回は、ニキビ表現の範囲の違いをまとめましたのでご活用いただければと思います。

化粧品分類は洗顔料に限り「ニキビを防ぐ」がOK

「薬事法の施行について」の化粧品の効能範囲(56効能)において、(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ。(洗顔料)と記載されています。

化粧品分類であることから、成分などの薬理効果ではなく、

あくまでも皮膚を清浄にする皮膚を健やかに保つニキビやアセモを防ぐという認識であると考えられます。

参考:化粧品等の適正広告ガイドライン | 日本化粧品工業会 (jcia.org)

洗顔料というのは、洗顔フォームやジェル、クレンジングオイルなど基本的に洗い流すタイプの化粧品であることが基本となります。ローションやクリームではニキビ・アセモの訴求表現は不可となります。

また、「ニキビ、アセモを防ぐ」の範囲を超えて、「ニキビに効く」「アセモを改善」といった表現は認められませんので、あくまでも「予防効果」にとどまるようにしておきましょう。

薬用化粧品は洗顔料に限らず、「ニキビに」といってもOK

一方、薬用化粧品(医薬部外品)であれば、製品ごとに承認を受けた範囲でニキビに関する効能効果を標ぼうすることができます。

薬用化粧品で明示されている範囲は下記の通りです。

薬用化粧品の種類効能・効果
化粧水、ローションあせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。
クリーム、乳液、ハンドクリーム、化粧用オイルあせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。
パックにきびを防ぐ。
薬用石けん(洗顔料を含む)<殺菌剤主剤>
(消炎剤主剤をあわせて配合するものを 含む) 皮膚の清浄・殺菌・消毒。 体臭・汗臭及びにきびを防ぐ。
<消炎剤主剤のもの>
皮膚の清浄、にきび・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ。
【化粧品等の適正広告ガイドライン 2020年度版】より抜粋

化粧品の場合、単に「ニキビに」とだけ表示することは「防ぐ」という範囲が分かりずらいためNGですが、薬用化粧品の場合は条件付きで表示することができます。

医薬部外品の効能効果について
「◯◯を防ぐ」という効能効果で承認を受けているものにあっては、単に「◯◯に」等の表現は認められない。ただし、承認された効能効果が明瞭に別記されていればこの限りでない。

参考:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

キャッチコピーなどでたんに「ニキビに」と言っても問題にならないのは、「承認を受けた範囲」が明瞭に別記されていることが条件です。

「ニキビに」を強調したり、ニキビを防ぐという承認されている効能効果を明示していない場合は不適切な表現となりますので気を付けましょう。

「大人ニキビにも」「ニキビ痕に」などは要注意

大人ニキビ

大人ニキビとは、通常のニキビとは異なる要因で症状が出ている場合があります。

医薬品的な効能効果があると思わせてしまう可能性があるので、強調して表示したり、大人ニキビに特化しているような印象は避けましょう。

ニキビ痕に

ニキビ痕にという表現は、ニキビによって皮膚が色素沈着を起こしたりシミになってしまった場合を指すと考えられます。ニキビ痕を改善するような表現は承認された効能効果を超えてしまう可能性が高いため避けましょう。

まとめ

ニキビと一言で言っても、お客様はニキビを防ぐことができるのか?できてしまったニキビが治るのか?期待されている効果の範囲が違います。

事業者や広告主においては、認められているニキビ表現の範囲で正しく広告することが大切です。

また、認められている範囲だから大丈夫というわけではなく、効果について根拠等があるかも景品表示法の側面からも求められます。

少しでも表現に不安がある場合は、専門家に相談していただければ安心です。