美白化粧品のしみ表現の注意点【薬機法NG例あり】

2024.09.13|もっと知りたい薬事広告|化粧品、医薬部外品

様々な化粧品メーカーやブランドから美白・ホワイトニング化粧品が展開されています。

ところで「美白」や「ホワイトニング」ってどういうことなのか、

シミに対して何が効くのか、

正しく説明することができますか?

このブログを読んで説明できるようになります。

美白化粧品って、使っていくとしみがなくなって色白になれるんですよね?

いやいやいや、美白化粧品使っても、しみはなくならないし色白にはなりません!

薬用化粧品の「美白」っていうのは条件があって限定的に認められている表現なの!

これから説明するね!

美白化粧品はどんな効能効果?

化粧品で「美白」という効果はしばり表現と言って、

「メラニンの生成を抑え、しみソバカスを防ぐ」

または「日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ」の二択に限られます。

どちらかの意味であることがわかる場合のみ 「美白」と表現できるというルールです。

決して今あるシミが消えたり、継続使用肌の色がだんだん白くなることは言えませんし、

すでにあるシミに効果があるような表現も認められません

※メーキャップ化粧品で「シミを隠す」はOK

また、医薬部外品という分類で厚生労働省より承認を得ることで製造販売が可能です。

承認を得た方の効能効果を正しくパッケージや広告に記載することが必要です。

一般化粧品など承認を得ずに「美白」という表現を使うことは認められません。

E15.0 薬用化粧品・一般化粧品における美白表現の原則
「美白」、「ホワイトニング」等は医薬品医療機器等法による効能効果ではない。従って、これらの文字を使用する場合は承認を受けた効能効果や化粧品で定められた効能効果の範囲
で表現し、E15.1及びE15.2に示す場合以外は用いないこと。特に継続して使用しているうちに既に黒い肌の色が段々と白くなる旨を暗示することは認められない。
【関連法令等】 医薬品等適正広告基準 第4の3(1)、3(2)

化粧品等適正広告ガイドライン2020年版 E15 「美白」等の表現の範囲

「美白」や「しみ」のNG例を紹介

NG例

  • 肌本来の色を白くする表現

 黒い肌も徐々に白くするホワイトニング効果 などの表現です。

  • できてしまったしみ、そばかすを無くす表現

 しみをケアする
 しみ、そばかすがこんなに薄くなるなんて
  これらはすでにあるしみそばかすを薄くしていますのでNGです。

  • 承認された効能以外のしみや色素沈着等に係る表現

 ニキビ跡の色素沈着を防ぐ は承認効能の範囲外となり不適切です。
 大きな括りでは同じ「しみ」かもしれませんが、医薬部外品としての承認効能は、
 メラニンの生成を抑えること、もしくは日焼けによるしみやそばかすを防ぐことに
 限られていますので要注意です。

  • 肌質を改善させるような表現

 しみ、そばかすの出来にくい肌に のような肌質が変わる表現はNGです。

  • 承認を受けた範囲かが不明瞭な表現

 しみに(承認を受けた範囲の記載がない)
 シミ予防(承認を受けた範囲の記載がない)

まとめ

化粧品で「美白」という表現を用いる場合は、

以下のどちらかの効能効果であることを明瞭に記載するようにしましょう。

☑メラニンの生成をおさえ、しみそばかすを防ぐ

☑日焼けによるシミソバカスを防ぐ

今あるシミが消えるような表現や、肌質が変わるような表現をすると

虚偽誇大広告になりやすく、クレームの危険が高まります。

化粧品の広告ルールは正しく運用していきましょう。

適切な広告運用には、適切に情報収集や専門家への相談をおすすめします♪

化粧品の広告表現についてのご相談は美容薬事広告の専門家にお任せください! 無料相談実施中

Follow me!

化粧品|広告表現|薬機法

Works

一覧を見る

  • 2025.12.17|読み物

    薬機法|化粧品効能56項目のOK表現と言い換えガイド

     化粧品効能範囲56項目の基本と、シミ・シワ・ニキビなどで頻発しがちなNG表現について整理した前回の記事に続き、制作現場でそのまま使える「言い換え表現」をお届けします。  実際の広告やPR、SNS投稿、LP制作のシーンで迷わず言葉を選べるように、逸脱しない言葉とテンプレートをNGワードとともにリストアップしました。薬機法に配慮しながら製品の特徴を魅力的に見せ、自然な文章に仕上げるヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。 もくじ ■ 化粧品56項目範囲内の言い換えとNGワード ∟メインワードの薬機法的言い換え■そのまま使えるライティングテンプレート ∟ヘアケアの薬機法的言い換え ∟スキンケア・ボディケアの薬機法的言い換え 化粧品56項目範囲内の言い換えとNGワード メインワードの薬機法的言い換え 清浄にする(洗浄) すっきりと洗い上げる、(余分な皮脂、古い角質、汚れ)を洗い流す NGワード:殺菌、消毒、除菌など すこやかに保つ 優しく労る、いきいきと保つ、すこやかに維持する NGワード:回復、改善、再生など なめらかにする つるんとした質感へ、すべるような感覚に、ざらつきをケア NGワード:毛穴を消す、若返る、修復など しなやかにする 穏やかに導く、弾むような、ごわつきをケア NGワード:肌弾力を回復、組織を柔らかくする、解消するなど 柔らげる ふっくらと、もちもち感、ソフトな質感 NGワード:コリをほぐす、組織を柔らかくする、解消するなど 保護する 優しく守る、うるおいヴェールをまとう、包み込む NGワード:ダメージゼロ、バリア機能を高めるなど うるおいを与える しっとりと、みずみずしく、乾きを満たす NGワード:真皮に届く、細胞を活性化など うるおいを保つ みずみずしく閉じ込める、ぷるんとキープ、水分の蒸発を防ぐ NGワード:うるおいが湧き出る、100時間持続など ハリを与える ピンとした感覚に、跳ね返すような、若々しい印象 NGワード:たるみ改善、リフトアップなど ツヤを与える 輝きをプラス、光沢を与える、上品な艶肌へ NGワード:組織構造の修正、肌や髪の回復など  顔や髪、爪や唇など、パーツにあう言葉を56項目内から使用し、誇大表現やNGワードに注意しましょう。  そのまま使えるライティングテンプレート  「つや・ツヤ・艶」「きれい・キレイ・綺麗」「うるおい・潤い」など、同じ意味を持つ言葉でも「ひらがな・カタカナ・漢字」によって与える印象が大きく変わります。美容広告や記事などのライティングでは、柔らかくなめらかなムードをつくるために“ひらき(ひらがな)”で表記することが多く、トーンや媒体にあわせて役割ごとの使い分けを行なっています。 使い分けのイメージ ひらがな:優しくやわらかな印象。感覚的な表現や情緒など、気持ちや使用感を伝えるシーンに◎。 カタカナ:軽く直感的な印象。キャッチコピーやキーワードなど、第一印象やリズム感の重視に◎。 漢字:明確で専門的、説明的な印象。成分や機能性など、普遍的な本質や価値観を伝える場面に◎。 ヘアケアの薬機法的言い換え 「香りにより毛髪、頭皮の不快感を抑える」 汗や皮脂の気になるニオイをカバーし爽やかに 嫌なニオイを包み込み清潔感を演出 ※殺菌などによるニオイ抑制表現はNG 「毛髪にハリ、コシを与える」 髪の芯から立ち上がるような弾力感 若々しいコシのある髪印象へ ※育毛、増毛に触れる表現はNG 「クシ通りをよくする」 さらりとした指通りを叶える 絡まりやすい髪をスムーズに 傷んだ髪が元に修復されるような表現はNG 「フケ、かゆみがとれる(抑える)」 フケを抑えすこやかな地肌に 乾燥によるかゆみを防ぐ ※アレルギーに対する表現はNG 「毛髪の水分、油分を補い保つ」 髪に必要なうるおいと油分のバランスを整える みずみずしくまとまるウルツヤ髪に ※皮脂分泌をコントロールする表現はNG 「裂毛、切れ毛、枝毛を防ぐ」 摩擦や乾燥によるダメージを予防 切れやすい毛先までしっとりとコーティング ※毛髪の寿命を伸ばす表現はNG 「髪型を整え、保持する」 さまざまなスタイリングを楽しめる 崩れにくい髪型をキープ ※過度な形状記憶表現はNG 「毛髪の帯電を防止する」 静電気によるパサつきや広がりを抑える 静電気を帯びた髪を扱いやすく ※電磁波遮断などの表現はNG スキンケア・ボディケアの薬機法的言い換え 「肌のキメを整える」 キメを整えなめらかな肌に キメの乱れが目立たない肌へ ※シワへの表現、抗酸化表現はNG 「肌荒れを防ぐ」 乾燥やゆらぎを感じにくい肌に カサつく肌を労り、すこやかに守る ※ニキビ表現はNG(洗顔料以外) 「肌を引き締める」 肌をキュッと引き締めさっぱりと 凛とした表情を覗かせる引き締まった肌へ ※毛穴の引き締め表現はNG 「皮膚にうるおいを与える」 みずみずしさ溢れる肌に 乾燥が気になる肌にうるおいを届ける ※角層を越える保湿表現はNG 「皮膚の水分、油分を補い保つ」 水分と油分を補給しバランス感のいい肌へ 肌をしっとりと艶やかに仕立てる ※皮脂分泌をコントロールする表現はNG 「皮膚の柔軟性を保つ」 触れたくなるような柔らかさに ごわつく肌をふっくらと柔らげる ※コラーゲン生成などの表現はNG 「皮膚の乾燥を防ぐ」 保湿膜で肌のうるおいを守る カサつきを防ぐみずみずしさ ※肌質を改善する表現はNG 「芳香を与える」 優しく寄り添う香りでリラックス気分 自分らしさを香りで際立たせる ※アロマテラピー、疲労を回復させる表現はNG  肌へのうるおい表現は角層までに限るので、誇大表現を防ぐために(※角層まで)と併記しましょう。  参考:F4 化粧品の効能効果の表現の範囲出典:日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドライン 伝えることと守ることを大切に。心に響く表現と、薬機法に基づく正確さを両立した広告サポートを得意としています。言葉選びに迷われた際は、どうぞお気軽にご相談ください。 薬機法ビューティエディター 渡邊 1989年生まれ、一児の母。百貨店でのアパレル販売職を経て、2016年からライターとして独立。大手Webファッションメディアにて記事執筆を手がけ、現在は主に薬機法を考慮した美容コンテンツの製作を担当。PR企画や広報・広告サポートなど多方面で活動中。 お問い合わせ・無料相談お問い合わせフォーム:[お問い合わせ - 京都薬事広告ラボ株式会社] 薬機法広告コンサルティング [京都薬事広告ラボ株式会社]

  • 2025.12.10|読み物

    薬機法|化粧品効能56項目の基本とシミ・シワ・ニキビのNG表現ガイド

     美容や健康にまつわる情報を発信する際、誤解を招く表現を避ける重要な指標として「薬機法」が存在します。薬機法は、化粧品や健康食品など生活に身近なアイテムから、医薬品や医療機器といった専門的な分野まで、医薬品等すべての品質・有効性・安全性を守るべく定められた法律です。  広告の規制では、虚偽誇大広告の禁止、効能効果保証広告の禁止などがあり、この規定は販売元や企業はもちろん、インフルエンサーやアフィリエイターなど個人の発信にも適用される指針として関わっています。  その広告基準を遵守するために、なじみの深い化粧品と医薬部外品にフォーカスしたものが「化粧品等の適正広告ガイドライン」です。この中には、実際に広告やPRを行う際の具体的な判断の目安として、化粧品の効能範囲をわかりやすく設定した56の項目があります。この項目は、化粧品で“言えること / 言えないこと”の軸となる、企画・制作・発信に携わるすべての人に向けた言葉のルールです。  今回は、この56項目の中でも特に間違えやすいポイントとNG例を取り上げ、正しい表現選びに役立つ薬機法の基本と注意点をお届けします。 もくじ ■ 化粧品の効能範囲を設定した56の項目について■「記載の可否」だけに留まらない、ルールと注意点■ ありがちな間違いとNG例を解説 ∟<シミ> 項目:日焼けによるシミ、そばかすを防ぐ ∟<シワ> 項目:乾燥による小ジワを目立たなくする ∟<ニキビ> 項目:(洗浄により)ニキビ、あせもを防ぐ 化粧品の効能範囲を設定した56の項目について  一般的な化粧品は、「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされる物で、人体に対する作用が緩和なもの」を指し、スキンケアやメイク用品、ボディケア、ヘアケアなど、日常に寄り添いながら穏やかに楽しめるビューティプロダクトが該当します。治す、改善するかのような治療表現や、薬用化粧品のような“効能効果”の記載は基本的に認められず、以下56項目の範囲内でのみ標榜が可能です。 ・事実であれば標榜可能 → 範囲を超える表現はNG  ・逸脱しない言い換えはOK・使用形態が限られている項目に注意  医薬部外品(薬用化粧品)は特別に認められている表現があり、一般化粧品では記載できない効能効果の項目が設けられています  「記載の可否」だけに留まらない、ルールと注意点  化粧品効能範囲56項目で注意したいのは、“文言どおりに書けばOK、どの化粧品でも標榜OK”ではないということ。56項目に該当する表現であっても、記載方法や組み合わせによっては効能効果の逸脱と判断されるリスクがあります。表記ルールは守っているか、メイクアップ効果と混同していないか、使用形態は適切か ── などを確認し、誤った情報や医薬品的な印象を与えない繊細な書き分けが求められます。  特に間違えやすい項目が、シミ・シワ・ニキビに関する広告表現です。化粧品効能範囲に表記されている使用可能な文言ですが、ルールを見落とすと薬機法に抵触する可能性が高まります。ポイントは、56項目に“当てはまるか”ではなく、“外れていないか”を見極める視点。言葉の意図を理解することで大げさにならず単調にもならない、的確な言い換え表現を見つけることができます。 ありがちな間違いとNG例を解説 <シミ> 項目:日焼けによるシミ、そばかすを防ぐ  一般化粧品で認められているのは、「日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ」こと。 肌改善やシミを薄くするなどの表現は美容医療・薬用領域となり、隠すなどの視覚的な変化はメイクアップ効果に留まるので線引きがとても重要です。また、シミやそばかすに言及できるのはUVカット効果のある日焼け止め(紫外線吸収剤または紫外線反射剤が配合されている製品)や、物理的に陽射しを遮るUVカットマスクや帽子などに限られます。 ☑️ ありがちな間違いと注意点 スキンケアの文脈でシミに触れてしまう・シミが目立たない透明感のある肌へ・シミが気にならない明るい肌へ導く美容液・くすみもシミも保湿効果で集中ケア一般化粧品で美白効果や作用を説明してしまう・ビタミンCでシミ予防・ナイアシンアミドで美白習慣・シミに先回りしてブロック POINT UVカットなしの化粧品:“シミ・そばかす”についての標榜は基本的に不可 UVカット製品:“日焼けによる”を省いて記載することはNG 美白訴求:美容医療・医薬部外品(薬用化粧品)領域のためNG 参考:F4.5 効能効果のしばり表現   E15.1 薬用化粧品(医薬部外品)における美白表現の範囲   E15.2 メーキャップ効果に基づく美白表現の範囲出典:日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドライン <シワ> 項目:乾燥による小ジワを目立たなくする  一般化粧品で扱えるのは、「乾燥による小ジワを目立たなくする」のみ。シワを薄くする、シワに直接アプローチするなどの表現は美容医療・薬用領域となり、加齢によるたるみや深いほうれい線などは、たとえ医薬部外品でも化粧品の効果で言及することは不可となります。また、この項目は効能評価試験を実施した商品のみ、事実に基づいた表現が可能です。 ☑️ ありがちな間違いと注意点 “乾燥” が抜けた小ジワ表現や誇大表現になってしまう・毎朝のスキンケアで小ジワを改善・シワを薄くするエイジング美容液・年齢ジワも小ジワも集中保湿でケア試験未実施で“乾燥小ジワ”の表現を記載してしまう・うるおいで乾燥による小ジワを防ぐ・乾燥小ジワを目立たなくするクリーム・使うほどシワが気にならない肌に POINT 表記ルール:効能評価試験済みの商品に限り記載可能 試験済み化粧品:“乾燥による小ジワ”の表現はOK、深いシワやたるみへの標榜はNG “シワ改善・シワ予防”:美容医療・医薬部外品(薬用化粧品)領域のためNG 「乾燥による小じわを目立たなくする」は、しばり表現のため省略せずに記載する 参考:F4.5 効能効果のしばり表現   E6 しわ予防・解消等の表現   E7 「乾燥による小ジワを目立たなくする。」の表現   E7-1 「効能評価試験済み」の表記について出典:日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドライン <ニキビ> 項目:(洗浄により)ニキビ、あせもを防ぐ  一般化粧品によるニキビ訴求は、「洗浄によるニキビ、あせもの予防」まで。炎症を抑える、殺菌する、ニキビ跡を消すなどの表現は美容医療・薬用領域となり、洗顔料以外のスキンケア製品でニキビについて触れることはできません。56項目内に存在する、清浄や肌荒れの表現とひとくくりにしないよう、しっかりとしたチェックが必要です。皮脂への言及も、“洗い流す、余分を落とす”などに留めると◎。 ☑️ ありがちな間違いと注意点 洗顔料以外で肌荒れへの効果をニキビに繋げてしまう・肌のごわつきやニキビを落ち着かせる・鎮静効果で肌荒れとニキビをケア・トラブル肌を整えてニキビ対策一般化粧品でニキビへの作用を説明してしまう・炎症に効くニキビ用化粧水・ニキビを抑える鎮静シートマスク・サリチル酸の効果でニキビケア POINT 化粧品のニキビ訴求:基本的に“洗浄による予防”のみ標榜可能 皮脂:“余分な皮脂を落とす” はOK、“皮脂の分泌を抑える”はNG “治す・鎮静・抗炎症”:美容医療・医薬部外品(薬用化粧品)領域のためNG 参考:F3.2 薬用化粧品の効能又は効果の範囲出典:日本化粧品工業連合会 化粧品等の適正広告ガイドライン  どこまでが一般化粧品の表現として認められるのか、メイクアップ効果と線引きを行い、薬機法や56項目のルールを踏まえておくことで、製品の魅力を伝える言葉の選択肢もグッと広がります   伝えることと守ることを大切に。心に響く表現と、薬機法に基づく正確さを両立した広告サポートを得意としています。言葉選びに迷われた際は、どうぞお気軽にご相談ください。 薬機法ビューティエディター 渡邊 1989年生まれ、一児の母。百貨店でのアパレル販売職を経て、2016年からライターとして独立。大手Webファッションメディアにて記事執筆を手がけ、現在は主に薬機法を考慮した美容コンテンツの製作を担当。PR企画や広報・広告サポートなど多方面で活動中。 お問い合わせ・無料相談お問い合わせフォーム:[お問い合わせ - 京都薬事広告ラボ株式会社] 薬機法広告コンサルティング [京都薬事広告ラボ株式会社]

  • 2025.12.03|もっと知りたい薬事広告|化粧品、医薬部外品

    化粧品広告で気をつけたい景表法と薬機法。よくある文言を実例で解説!

    化粧品の広告制作において、「もっと魅力的に伝えたい」「もっとわかりやすい表現を使いたい」と感じる場面は多いはずです。いざコピーを考えると、景品表示法(景表法)や薬機法の壁にぶつかり、どこまでが許容範囲なのか判断に迷うこともあります。 本記事では、化粧品広告で頻出する文言を例に、景表法や薬機法に抵触しないためのポイントや言い換え表現を解説します。誤認リスクを避けつつ、消費者に商品の魅力を損なわず、正しく伝えるためにも、最後までお読みください。 化粧品広告で景表法が問題になりやすい理由3選 化粧品はイメージで魅力を伝える要素が強く、実物とのギャップが生じやすい商品です。景表法では、この「実際より良く・有利に見える表示」を厳しくチェックしており、化粧品広告は特に指摘が多くなっています。ここでは注意したい3つのポイントを紹介します。 価格や条件を実際よりお得に見せる「有利誤認」 価格や条件を実際より有利に見せる「有利誤認」です。よくある例としては、以下の3つがあります。 常時セール価格なのに「今だけ◯%OFF」と記載している 「初回限定」と書きつつ、実質的には通常価格と変わらない 他社より優れているかのように示す比較広告に根拠がない どのケースも、実態以上にお得に見えてしまう点が問題になります。 実物より商品を良く見せる「優良誤認」 優良誤認は、商品の品質や効果を実際以上に良く見せる行為を指します。違反例が、以下のとおりです。 微量成分を「高濃度で配合」と言い切る 加工したビフォーアフター写真で劇的な変化を演出 根拠がないのに「シミが消える」「短期間で若返る」と表現 虚偽・誇大表現に当たり、景表法違反です。肌悩みを抱える消費者に誤認させる行為は、金銭的損失だけでなく、肌トラブルにもつながり得るため、景表法では厳しく規制されています。品質の盛りすぎが優良誤認、お得の盛りすぎが有利誤認と覚えておきましょう。 化粧品のイメージと根拠のズレ 化粧品は世界観や雰囲気でイメージが先行しやすい商品ですが、客観的な科学的根拠が追いつかないケースが多く見受けられます。例えば、以下が化粧品によくあるNG表現例です。 「魔法のような変化」「瞬時に若返る」といった表現 SNSの個人投稿を事実のように用いる 写真・体験談だけで効果を示唆する 消費者庁から根拠資料の提出を求められた際、十分なデータを示せないケースは多く、そのまま違反に至ることも珍しくありません。具体的にどの表現がNGになりやすいのかを、次の章で整理します。 景表法で問題になるよくあるNG例 景表法では、消費者に誤認を与えるNG表現を厳しく禁止しています。ここでは、現場で判断に迷いやすい具体例を見ていきましょう。 「シミが消える」「小ジワが改善」などの医薬品的表現 「シミが消える」「小ジワが改善」などの表現は、医薬品的な治療効果を連想させるためアウトです。たとえ事実であっても、化粧品の効能範囲を超えて、消費者に誤認を与える表現は認められていません。 比較やデータ表示に必要な「合理的根拠」 「業界No.1」や「水分量2倍」といった数字は、商品の良さを具体的に訴求しますが、これらを謳うには客観的に実証された合理的な根拠が必須です。 調査の条件を隠したまま他社と比較したり、成分単体のデータだけで製品の効果を誇張したりするのは認められません。消費者の正当な判断を妨げる行為として、虚偽・誇大広告(不実証広告規制)の対象となるため、必ず製品そのものでの実証データを用意します。 ▼「業界No.1」に関する詳しく解説した記事はこちら 問題になるNo.1表示の特徴とは?を解説します。 化粧品広告での言い換えルール 化粧品は「人体への作用が緩和なもの」と定義され、「治る」「再生する」は医薬品のみに認められています。どんなに優れた成分を配合していても、厚生労働省が定める「化粧品の効能の範囲(56項目)」を越える表現は景表法や薬機法の対象となり、行政処分につながります。ここでは、化粧品広告で使用可能な広告表現ルールを確認しましょう。 化粧品広告で認められた56項目 一般化粧品で標ぼうできる効能効果は56項目に限定され、「肌を整える」「肌にハリを与える」「乾燥による小ジワを目立たなくする(※条件あり)」が該当します。この56項目に含まれない効能表現は、原則使用不可ですが、事実を変えない程度の言い換えは可能です。具体的なOK/NGラインを、以下の表で確認しましょう。 ▼化粧品で言える効能の決まり(抜粋) カテゴリ言えること(56効能の範囲内)言ってはいけないこと(範囲外)肌の悩み乾燥による小ジワを目立たなくする ※1シワが消える、シワを改善する肌の状態肌を整える、肌荒れを防ぐ肌荒れを治す、アトピーが治る見た目肌にハリ・ツヤを与える肌が若返る、アンチエイジング保湿皮膚にうるおいを与える皮膚の奥まで浸透して再生する ※1:「乾燥による小ジワを目立たなくする」と標ぼうするためには、ガイドラインに基づく試験を行い、効果を確認する必要があります 。 このように、「化粧品の効能の範囲(56項目)※」の中で、いかに商品の魅力を伝える表現に変換できるかが、広告制作のポイントとなります。 ※化粧品の効能の範囲の改正について(◆平成23年07月21日薬食発第721001号) 化粧品と医薬部外品で変わる言い換え表現 次は、化粧品と医薬部外品(薬用化粧品)との区別によって、言える表現が異なります。医薬部外品とは、厚生労働省に承認された有効成分が配合されている製品を指し、一般化粧品より具体的な効果を訴求できます。商品分類による言い換え表現例を、以下の表にまとめました。 ▼ 化粧品と医薬部外品の違い 分類目的言える効果の例化粧品清潔にする、美化する「肌を整える」「うるおいを与える」医薬部外品防止する、衛生「肌荒れ・ニキビを防ぐ」「美白(シミを防ぐ)」医薬品治療する「ニキビを治す」「シミを薄くする」 取り扱う商品のカテゴリにより、使用可能な表現の範囲が変わります。化粧品なのに、医薬部外品と同等の効果を謳うケースは違反となるため、必ず商品分類を確認してください。 参考資料:化粧品と薬用化粧品 | 日本化粧品工業会 化粧品広告の成分訴求で誤認を防ぐための考え方 化粧品広告での成分訴求は、商品の魅力を伝えるのに有効的ですが、消費者に誤認リスクを与えます。ここでは、最新のガイドライン※に基づいて注意すべき成分訴求について解説します。 成分を説明する際に効果を言い切らない 成分名に直接的な効果を重ねてしまうと、化粧品では認められていない効能を示す表現に該当します。例えば「ビタミンCでシミが薄くなる」「植物エキスで小ジワが改善する」といった言い切りは、薬機法違反です。化粧品で言えるのは「肌を整える」「うるおいを与える」など、あくまで化粧品として定められた範囲の効果に限られます。 配合目的の併記で誤認リスクを抑える 成分を強調する場合、その成分が何のために配合されているのかを明記しましょう。以下のように、目的を併記することで安全性や機能面の誤解を防げます。 ✖:ビタミンC配合 ◯:ビタミンC配合(製品の抗酸化剤として) ◯:アルガンオイル(保湿成分)配合 このように、配合目的を明記することは、成分の安全性を誤って伝えないためにも重要です。 成分の特徴を伝える「特記表示」で誇張させない 「高配合」「高濃度」などの特記表示は、成分名だけを大きく見せると、医薬部外品のような作用があると誤認を与える恐れがあります。最新のガイドライン※でも、強調表示は事実以上の効果を連想させず、その成分の配合目的を具体的に明記することが記載されています。 成分訴求は有効な手段ですが、誇張しすぎると違反です。成分名・配合目的・特記表示の3点を押さえることが、消費者の誤認防止と企業の信頼性につながります。 ※① 消費者庁『化粧品等の適正広告ガイドライン』  ② 日本化粧品工業連合会の『特記表示ルール(配合目的の明記)』  ③ 化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則-化粧品公正取引協議会 SNS・口コミで起きやすい景表法違反のケース3選 SNSや口コミは、商品の使用感や体験談を知る有効な手段です。しかし、SNSや口コミでも、企業が関与すると「広告」とみなされ、景表法やステマ規制の対象になります。ここでは、SNSや口コミで注意すべき景表法違反ケースを3つ紹介します。 体験談で効果を書いてはいけない 「シミが消えた」などの効能に触れる体験談は、たとえ事実でもNGです。「誰でも同じ効果が出る」と誤認させるため、「しっとりした」などの使用感までに留めましょう。 使用前後のビフォーアフター写真が誤認を招きやすい 商品使用前後の変化を示すビフォーアフター写真も、効果の保証と受け取られやすく、消費者の誤解を招きます。事実と異なる加工や、短期間での変化強調は景表法違反です。特にInstagram・TikTokで補正機能による加工の誤認が増えており、ステマ規制と合わせてもっとも指摘されやすい部分です。 企業が関与する口コミ・投稿はすべて広告になる 企業が金銭や商品を提供して、インフルエンサーに投稿を依頼する場合、広告とみなされます。ここで企業とインフルエンサーの関係性を隠すと、ステマ規制違反に該当します。投稿に「#PR」や「#タイアップ」と目立つように記載しなければいけません。消費者に広告であることを正しく伝え、法律違反のリスクを回避してください。 ▼ステマ規制について、詳しく解説した記事がこちら ステマ対策だけでは不足?薬機法対策も必要な理由を解説 まとめ 表現に迷ったときは、事実を超えて言っていないかを見直すと、景表法に違反していないか判断しやすくなります。化粧品広告は誤認リスクと常に隣り合わせです。化粧品で認められた効能の範囲を理解し、配合目的の明記や特記表示のルールを守ることで、消費者に正確な情報を届けられます。 効能の範囲や表示ルールを理解していても、判断が難しい場面は出てきます。景表法・薬機法に迷ったら、プロに早めに相談するのが安全です。京都薬事広告ラボでは、実務で使える広告表現の提案から、広告全体のチェック、改善までワンストップで対応いたします。広告表現に迷う場面がありましたら、お気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ・無料相談お問い合わせフォーム:[お問い合わせ - 京都薬事広告ラボ株式会社]

  • 2025.11.27|読み物

    薬機法×美容広告:流行り言葉と2025年最新トレンドワード

     広告づくりの際に、目を惹くトレンドワードやキャッチーな流行り言葉を活用したい、と考えたことはありませんか?新しい情報がスピーディーに流れているこの時代、美容の世界でも毎日のように言葉が生まれ、あっという間に入れ替わっていきます。「旬の言葉」をどう使うか、という視点はマーケティング効果を高めるうえでも欠かせず、薬機法(旧薬事法)・景表法(景品表示法)の観点からは、使用可能なラインと危険なラインをしっかりと判断することが要に。  「ガラス肌」「タイパ」などストレートに伝わる人気表現は、商品そのものの実態と離れた表現になりやすく、化粧品や健康食品のルールを越えてしまうケースも少なくありません。また、SNS発のトレンドワードは爆発的な流行りが広がる一方でピーク期間が短く、実際にキャンペーンが始まる頃には“もう古い”と感じられる可能性も。  本記事では、美容業界・化粧品分野・ウェルネス領域の2025年における動向を振り返りながら、薬機法と景表法のリスクを避ける「配慮した表現」のポイント、広告づくりのヒントとなる「キーワード」をご紹介します。 流行り言葉:「〇〇肌」表現  「〇〇肌」という言葉は、美容文脈で多用されるなじみの深いワード。“仕上がりの比喩”として成立するメイクアップ領域では表現の自由度が高い反面、肌に作用するスキンケア効果の断定につなげてしまうと、薬機法違反の懸念が強まります。スキンケア製品に用いる場合は、化粧品効能効果56項目の範囲内か、言葉が適切に留められているかの確認が大切です。 ☑️ POINT:メイクアップとスキンケア効果の範囲を明確化 ※はメイクアップ効果の表現としてのみ使用可能です トレンド系 水光肌 ツヤ肌 すりガラス肌※ 陶器肌※ マット肌※ 白玉肌※・つるんとした白玉に例えて表現される「白玉肌」→「白」という字が“美白効果”を連想させるため、美白効果のある薬用化粧品や、色彩補正ができるメーキャップ化粧品以外では避けるのが無難◎ キャッチー系 初恋肌 愛され肌 勝負肌 ウルツヤ肌 知性肌 ポジティブ系 赤ちゃん肌 たまご肌 もち肌 すっぴん肌 透明肌 濡れツヤ肌 毛穴レス肌※ ネガティブ系 カサカサ肌 ガザガサ肌 くすみ肌 ゴワゴワ肌 脂性肌 オイリー肌・悪い肌状態を過剰に表現すると、治癒改善効果(医薬品的効果)を期待させる表現につながりやすいので要注意  広告表現の際は製品と効果をしっかりと仕分け、適した言葉を選ぶことが必要です。また、メイクアップ効果でもスキンケア効果でも、過剰なパワーワードは誇大表示に該当するリスクがあります。おおげさな言い回しや浸透表現、前後のテキストやアイキャッチ構成にもご注意を  流行り言葉:「〇〇パ」表現  忙しい現代人にとって、“時間と過程に対する満足度の高さ”は商品を選ぶ基準のひとつ。タイパ(タイムパフォーマンス)、コスパ(コストパフォーマンス)などのパフォーマンス系ワードは、効率志向を背景に使用シーンが急増しています。時間や費用対効果を強調する際は、比較対象を明確にしないと不当表示とみなされ、曖昧にした場合は景表法違反に抵触。化粧品や健康食品などの効能効果に関わる場合は、自社商品との比較のみが適応となります。 ☑️ POINT:比較表現における根拠データを明確化 タイパ / コスパ 比較対象(自社比較・他社比較)を明確化 →「業界最高」「No.1」などは根拠データが必須 ウェルパ(ウェルネスパフォーマンス) 心身を整える効果を指す →「癒す」「改善」を過度に強調すると薬機法に抵触 プロパ(プロセスパフォーマンス) プロセスの合理性・効率の良さを示す →「3秒で劇的変化」「1本で根本改善」など誇大表現に注意  「高品質なのにこの価格、コスパを追求」は自社工夫のため併記なしでOK、「業界最高のコスパ」は比較結果のため根拠データが必須になります。過剰表現は景表法違反につながるのでNGです  2025年の最新トレンドワード  美容・化粧品分野では、「気候」「五感」「ケアの高度化」といったテーマが注目され、SNS発の流行語が広告表現に取り入れられるケースも増えています。移り変わりが早いワードは採用のタイミングや文脈を誤ると、ターゲットとの温度差や“古さ”につながるので、瞬発力と見極めが重要です。例えば、Z世代の流行語を40代以上をメインターゲットとする商材にそのまま使用すると、かえって響かずスルーされる可能性も。さらに、流行語の勢いをプラスした魅力的な表現であっても、化粧品効能効果56項目を逸脱していないか、商品の実態以上の印象を与えていないか、十分に配慮したチェックが求められます。 ☑️ POINT:ターゲットやシーンを明確化 「秋肌アラート発令中」 紫外線など夏の蓄積ダメージに対する「秋の肌荒れ対策」や秋の花粉対策として発信 → 肌悩みやその対応が、化粧品効能効果56項目の範囲内であれば訴求可能・紫外線による乾燥+季節の変わり目の肌荒れ対策の提案に◎・スキンケアの効能範囲※での表現はOK・シミ / シワ、肌荒れ改善、肌ダメージや花粉への効果断定はNG※保湿、UVカット製品や薬用化粧品によるシミ予防、肌荒れ防止効果 「素髪(すがみ)ケア習慣」「美髪課金」 スキンケア発想のヘアケア製品が注目され、うねりケア効果 / 美容成分の配合 / 頭皮のエイジングケアなどを持つ高機能アイテムが続々登場 → ヘアケア領域ではプラスαの価値が一般的に・髪から肌に置き換えても表現できる範囲が◎・浸透やエイジングケアの効果が成立する表現が多い・医薬的効能や治療効果を匂わせる表現はNG 「五感フレグランス」 香り×触感を楽しむ商品が多く発売 → 森林浴を思わせる香り×爽やかな洗い上がり(質感)、甘い魅惑的な香り×グロッシーな艶感(視覚)など、多感覚なアプローチが増加・リラックス、癒しなどのワードは医薬品的訴求になりがちなので注意・「五感を満たす」「見て、触れて、香りをまとう」などの情緒的表現はOK・「五感を刺激しリラックス」「五感に働きかけて癒す」などの身体の機能関与的表現はNG 「ぷるんリップ界隈」 「プランパー効果」「ボリュームアップ」などの表現は、メイクアップ効果のみ可能 → 海外製品ではカプサイシン配合のテクスチャーにより、一時的に刺激を与えるリップコスメが存在・うるおいやツヤによる化粧品効能効果56項目内の表現、メイクアップ効果はOK・カプサイシンによる膨張メカニズムなど、“医薬的作用”の説明はNG・日本ではメカニズムの説明自体がNG 「韓流肌管理」 定期的に美容医療を受け、専門的な肌ケアを行うことを指す → 日本では、渡韓し美容医療を受けたような気持ちになれる「コスメ」の表現に使用・日本のコスメ文脈では“肌管理『的』アプローチ”として表現可能・本来は美容医療を定期的に受ける概念・美容医療相当の効果を連想させる同等表現はNG 参考:@コスメ 2025下半期のネクストトレンド、なにが流行る?@cosmeが予測する美容トレンドを解説【2025上半期ベストコスメ】|美容・化粧品情報はアットコスメ【詳報版】「@cosmeベストコスメアワード2025上半期トレンド予測」 ~キーワードは「#気まぐれ天気プチ直し」、「じゃら×2チャームコスメ」、 「貼るコスメ」、「ぷるんリップ界隈」、「血色感リンクメイク」、「おうちで韓流肌管理」~ [istyle 株式会社アイスタイル]  伝えることと守ることを大切に。心に響く表現と、薬機法に基づく正確さを両立した広告サポートを得意としています。言葉選びに迷われた際は、どうぞお気軽にご相談ください。 薬機法ビューティエディター 渡邊 1989年生まれ、一児の母。百貨店でのアパレル販売職を経て、2016年からライターとして独立。大手Webファッションメディアにて記事執筆を手がけ、現在は主に薬機法を考慮した美容コンテンツの製作を担当。PR企画や広報・広告サポートなど多方面で活動中。 お問い合わせ・無料相談お問い合わせフォーム:[お問い合わせ - 京都薬事広告ラボ株式会社] 薬機法広告コンサルティング [京都薬事広告ラボ株式会社]

  • 2025.11.18|読み物

    薬機法|肌と髪の浸透表現まとめ【NGワード / OKワード】

     気温が一気に下がり、空気がぴりりと乾燥する今日この頃。オンラインでもオフラインでも、「保湿・うるおい」というキーワードが増え、乾燥対策にフォーカスした広告やコンテンツが増えてきました。今回は、薬機法ビューティエディターとして活動する筆者が、薬機法(旧薬事法)における浸透の範囲をおさらいし、NGワードを含めたルールの解説と、広告表現の注意点をわかりやすくご紹介します。  ECメディアが行うピックアップページ、インスタグラムやX(旧Twitter)によるインフルエンサーのPR、メーカーやブランドが展開する保湿アイテムの訴求テキストなど、多岐に渡る広告ページを正しくカバーするために。“スキンケア、ボディケアに適した浸透表現”を、特例としてチェックしておきたい“髪の浸透表現”とあわせてピックアップしました。 肌・スキンケアの保湿、うるおい表現  スキンケアに用いる浸透表現は、薬機法に抵触する“うっかりパターン”が多いため、慎重な言葉選びが求められます。肌へのうるおい表現の主なルールとして、化粧品(化粧水・乳液・美容液・クリーム・シートマスクなど)が作用し届くのは、角質・角層までの範囲。原則として、表皮の基底層や真皮など、奥の層まで浸透するかのような言い回しはNGです。会話でのアプローチやテキスト説明、使用感とコメント、ビジュアル演出も同様に、「角層の奥まで」「肌の奥まで」という表現は避ける必要があります。  また、景品表示法の観点では、「今までの美容液全部捨てた!」といった誹謗比較に該当する言い回しや、「1週間で肌が生まれ変わる!」などと謳うおおげさなキャッチコピーもチェックの対象です。PR案件や商品口コミ、レビューは、ユーザーにとって身近な体験談を聞くことができる貴重な訴求コンテンツなので、しっかりと言葉を整え広告に活用したいところ。 NGワード一覧 肌の内側に届く 乾燥肌を改善 真皮層まで浸透(承認済み薬用化粧品のみ可) うるおいが100時間持続 他にはない唯一のうるおい効果 OKワードのヒント 角層のすみずみまで 気になるカサつきをケア 肌に行き渡る ※角層まで うるおいが心地よく持続 うるおいに満ちた肌感に  ブランドの世界観を壊さず、読み手の気持ちに寄り添う“音感”や“情緒”を持たせることもポイントです。たとえば、リズムや響きのある言葉選び、やわらかな単語の組み合わせ、媒体のムードに沿うトーンや語彙。私自身、こうしたニュアンスを丁寧に紡いだ、正確さと美しさを両立する文章作りを意識しています  体・ボディケアの保湿、うるおい表現  パーツごとに多彩な関連商品が紐付けられている、体という大きなカテゴリ。保湿を担うアイテムも、ボディウォッシュ、ボディオイル、ボディクリーム、バスエッセンスなどがあり、パーツ別にカテゴライズすると、ハンドケア、ネイルケア、かかとケア、デリケートゾーンケアなど、目的や使用部位に応じたプロダクトが豊富に存在しています。  肌への浸透表現は、スキンケアと同じく角質層(角層)までが基本。さらに押さえておきたいのが、ラインナップ範囲が広いボディケア製品に多い、“付加価値の訴求”にまつわる表現です。「疲れを癒しリフレッシュ」「不眠を解消するリラックス効果」「ストレスを緩和」「低刺激で安心」「血行促進」など、医薬品的作用や改善が得られるかのような、本来の機能を超えた副次的効果を想起させる、インパクトを重視したNGワードが散見されます。 NGワード一覧 アロマセラピーで疲れを忘れる 疲労を取り除きリラックス 赤ちゃんにも使えて安心安全 バスエッセンスでデトックス 温浴効果でストレスを打破 OKワードのヒント 香りを楽しめるボディケア 心までほぐれるような芳香 やさしい使い心地 バスエッセンスでご自愛時間を 気持ちを切り替えたいバスタイムに  香りやテクスチャー、使用シーン、パッケージ、植物由来成分など、保湿効果とともに伝えたいアピールポイントはたくさんあります。香りがもたらす情緒的な表現や使用感、心地よさなど、情報やワードを正しく整えながら、商品の魅力を余すことなく引き立てる言葉選びを意識してみてはいかがでしょう  髪・ヘアケアの保湿、うるおい表現  ヘアケア製品は、毛髪と頭皮を清浄するシャンプーなどの“落とすケア”と、髪のうるおいや油分を補い保つヘアトリートメント&ヘアコンディショナー、ヘアオイル、ヘアミルクなどの“与えるケア”に大きく分類されます。保湿に加え、ハリやコシ、切れ毛、枝毛、帯電防止にも訴求範囲が広がる、プロダクトが持つ強みや特徴を伝えやすいカテゴリです。  浸透表現に関しては、肌のうるおい表現ではNGとされる「内部まで保湿」という表記がOKに。「髪の内側に浸透」「芯までうるおいを届ける」などの標榜が可能となります。ただし、毛髪の約85%を占めるコルテックスや、髪の中心に位置するメデュラなど、髪組織へのアプローチを名称とともに記載する際は、エビデンスの確認が必須です。「治る」「修復」など、状態を改善させる表現は不可となります。 NGワード一覧 乾燥した髪をうるおいで蘇らせる ダメージヘアをトリートメントで修復 頭皮トラブルを防止 瞬時にツヤ髪へ再生 毛質改善で徹底保湿 OKワードのヒント 髪の内側までうるおいを与える ダメージヘアをトリートメントで補修 頭皮をすこやかに保つ 指通りのいいツヤ髪に しっとりまとまる髪へ  ヘアオイルなどのヘアケア製品は、季節を問わずギフトにも選ばれる“フレグランス未満”の人気モノ。艶めきと芳香をそっと髪にまとうことで、日常に小さな高揚感を与えてくれます。ワードの美しい言い換えとともに、使用シーンが思い浮かぶような香りのストーリーを描くと、きっとプロダクトの魅力が伝わるはず   伝えることと守ることを大切に。心に響く表現と、薬機法に基づく正確さを両立した広告サポートを得意としています。言葉選びに迷われた際は、どうぞお気軽にご相談ください。 薬機法ビューティエディター 渡邊 1989年生まれ、一児の母。百貨店でのアパレル販売職を経て、2016年からライターとして独立。大手Webファッションメディアにて記事執筆を手がけ、現在は主に薬機法を考慮した美容コンテンツの製作を担当。PR企画や広報・広告サポートなど多方面で活動中。 お問い合わせ・無料相談お問い合わせフォーム:[お問い合わせ - 京都薬事広告ラボ株式会社] 薬機法広告コンサルティング [京都薬事広告ラボ株式会社]

  • 2025.09.18|お知らせ|案内

    薬機法広告コンサルティングサービスのご案内

    いつもお世話になっております。 美容・健康商品を扱う企業様の広告表現でお困りのことはございませんか。 弊社では、薬機法に準拠した広告表現のコンサルティングサービスをご提供しております。 弊社のサービス内容 1. 薬機法・景表法広告コンサルティング 広告表現コンサルティング化粧品、健康食品、医療機器など、商品カテゴリに応じた適切な広告表現をご提案いたします。売上向上と法令遵守を両立した効果的な訴求方法をサポートします。 広告審査・チェックサービス既存の広告やWEBサイト、パンフレットなどの表現を薬機法・景品表示法の観点から詳細にチェックし、リスクのある表現を特定して改善案をご提示いたします。 薬事顧問サービス切れ目のない伴走型コンサルティングとして、薬事顧問サービスをご提供しております。継続的なサポートにより、日々の広告運用から新商品開発まで、あらゆる場面で安心してご相談いただけます。 2. 薬事広告セミナー・講座 企業向けセミナー社内での薬機法・景表法の理解を深めるための企業向けセミナーを開催しております。広告担当者様や営業担当者様向けに、実務に即した内容をお伝えします。 定期講座・勉強会最新の法規制動向や具体的な事例を交えた定期講座を実施。継続的な学習により、自社での適切な判断力を養っていただけます。 3. 女性向け商品マーケティング支援 女性目線でのマーケティング戦略美容・健康商品において重要な女性消費者の視点を活かしたマーケティング戦略をご提案いたします。薬機法に準拠しながら、女性に響く効果的な訴求方法をサポートします。 商品開発・ブランディング支援女性のニーズを的確に捉えた商品開発やブランディング戦略の立案をお手伝いいたします。 このようなお悩みをお持ちの企業様へ 広告表現が薬機法に違反していないか不安 効果的な訴求をしたいが、リスクが心配 競合他社の表現を参考にしたいが、適法性が分からない 新商品の広告表現を事前にチェックしてほしい 行政指導を受けたことがあり、今後のリスクを避けたい 安心してお任せください 美容・健康商品の広告表現は、適切な対応により売上向上と法令遵守を両立できます。豊富な実績と専門知識を活かし、皆様のビジネス成功をサポートしてまいります。 なお、この度より分かりやすい情報提供のため、ホームページをリニューアルいたしました。サービス内容や事例紹介など、詳細な情報をご覧いただけます。 薬機法に関するご不安やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。初回相談は無料で承っております。 お問い合わせ・無料相談お問い合わせフォーム:[お問い合わせ - 京都薬事広告ラボ株式会社] 薬機法広告コンサルティング [京都薬事広告ラボ株式会社]

PAGE TOP