ステマ対策だけでは不足?薬機法対策も必要な理由を解説
景品表示法によるステルスマーケティング告示。
施行して10月で1年ですが、早くも消費者庁から措置命令が続発しています。
ステマ規制の対策と、それだけでは不十分となる薬機法対策が必要となる事例を確認
ステマ(ステルスマーケティング)規制の対策の基本
「ステルスマーケティング」とは、
実際は事業者の広告であるにも関わらずそれが広告であることを隠す表示のこと。
あたかも第三者の客観的な意見や感想であるかのように表示していることで一般消費者を誤認させる行為のことです。
事業者の広告である場合、
その表示には「広告」であることを明瞭に示すことが対策となります。
出典: 「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準[PDF:336KB
ステマ対策のポイント
- 広告には必ず「広告」、「PR」、「プロモーション」、「○○社から商品を提供いただきました」等、広告であることがわかることを明瞭に表示する
- 社員、取引先、依頼先のインフルエンサーなど対し、ステマ行為を回避するため研修などの教育を適宜行う
広告に該当するかの判断に迷うケースにおいては、
広告であることを明示しておくことがリスク回避となります。
また、社員や取引先、インフルエンサーなどがステマ規制について理解し、
正しい判断ができる状態であることが望まれます。
ステマ行為を避けるよう周知徹底を行うと同時に、
法令順守の体制を構築するよう教育訓練する姿勢が求められているのです。
広告であることを明示するなら薬機法の対策を!
広告であると明示された投稿などが化粧品等の紹介をしている内容であれば、
薬機法(医薬品医療機器等法)=旧:薬事法の規制対象となります。
サプリメントや美容機器などであっても、
身体の増強増進、疾病の予防や改善に触れると薬機法がカバーされます。
そのため、虚偽誇大な表現や未承認医薬品等と受け取られるような表現になっていれば、
表示内容の修正が必要となります。
取引先やインフルエンサーに対してはステマ規制の知識に加え、
薬機法に配慮した内容が投稿(表示)するようにしておかなくてはなりません。
特に化粧品等では愛用者の声、使用体験談の内容についてルールがあるので気を付けましょう。
化粧品の愛用者の声(使用体験談)ルール
化粧品等の使用体験談等の表現は以下のルールがあります。
- 使用感や香りのイメージに関するコメントに限り可能
- 効能効果に関する表現は不可(うるおい、ハリなど)
- 安全性に関する表現は不可(敏感肌の私にも使えた、刺激が少なかった など)
F7.3 使用体験談等
化粧品等の効能効果又は安全性についての愛用者の感謝状、感謝の言葉の例示等、使用経験又は体験談(タレントや自他者を問わない。)広告は、客観的裏付けとはなりえない。従って、消費者に対し化粧品等の効能効果又は安全性について誤解を与えるおそれがあるので行わないこと。
ただし、効能効果又は安全性以外の使用方法・使用感・香りのイメージ等に関しては、事実に基づく使用者の感想の範囲であれば認められるものとする。その場合であっても、過度な表現や保証的な表現とならないよう注意すること。なお、※印等により説明文を付記する場合は、説明文がない状態で判断して認められる範囲であることが前提であり、説明文により認められない表現を救済するものであってはならない
E20「使用体験談」の表現の範囲
1.使用体験談の表現
使用体験談の表現については、F7.3の趣旨に基づき次の表現の範囲内で行うものとする。
(1) 認められる表現の範囲
・使用方法、使用感、香りのイメージ等の範囲であって、かつ、事実の範囲内で行う使用者の体験に基づく自発的な感想による表現。
(2) 認められない表現の範囲
・効能効果又は安全性についての使用経験又は体験談の表現。
・虚偽あるいは第三者の創作による表現。
・使用感等についての過度な表現。
・体験談を自己の都合のよいように編集・抜粋した表現。
・関係者に特に依頼した体験談であるのに、一般の利用者の体験談であるかのように表示している場合。
まとめ
ステマ規制の対応に追われるさ中、
見落としがちな薬機法対策のポイントをご説明いたしました。
広告であることを明示すると、薬機法規制の対象となります。
適切な広告運用には、適切に情報収集や専門家への相談をおすすめします♪
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